サマータイムを導入するとなぜ、省エネになるのかわからない

今般の電力不足を受けて、サマータイムが再び注目されてます。とりあえず、国として導入することは今年はしないみたいですが、名だたる大企業が独自に始業時間を早めたりしています。(厳密にはこれはサマータイムとは異なります。ここでは本来の意味である、夏に時計の針を1時間すすめることをサマータイムと定義します。)

それで、標題のとおりなんですが、どうして時計を1時間進めると省電力になるんでしょう?どう考えても理屈が分からないんです。

私は別にサマータイムに賛成も反対もしていないのですが、メリットがないのならやはり反対です。元SEとして、電子機器内の時計への対応が、とんでもないコストになるのは容易に想像できますし。もしトラブルでも起きようなら、いろんな場面で命に関わるような大変な事態にもなりかねません。

それで、いわれるメリットとしてエコ、省エネというのが大きいみたいですから、それがどうして実現するのか考えてみたわけです。
しかし、わからないんです。

照明についていえば、普通のオフィスなら朝きたら照明を付け、終業したら照明を消す、というのが一般的でしょう。1時間早く来たらむしろより暗いわけですから、それによって照明時間が減るということはありえません。
(節電のため消灯する、というのはサマータイムに全く関係なく可能な話なので除外)

次に冷房に関しては、夏の涼しい時間帯に仕事をすることで、エアコンの稼動を減らす、という効果はひょっとしたらあるのかも。でも、それも1時間のことですね。(時計を1時間進めたとして)それ以降については冷房止めるなら、今でも止められるわけで。

それで、終業すると皆、基本的には家に帰りますが、1時間早いわけですね。午後はだんだん気温が下がるわけですが、より気温が高い時点で家に到着することになります。朝とは逆でエアコンの稼動が増えかねません。しかも、会社なら1箇所にかたまってますが、それぞれが家に帰ってエアコンつけるとより消費電力が増えてしまいそうです。まあ、家に家族がいると帰宅時間は関係ないのですが、単身世帯ではこういうことも言えそうです。

今挙げたことの、1つ1つがどれぐらいの効果があって、結果として電力消費が減るのか増えるのか、冷静に考えると、サマータイム導入が確実に省電力につながるという結論には至らないんですよね。

それでも推進されていく背景には何か違う思惑があるのかな?なんて考えてしまいますね。

なにより、今回の電力危機は夏場のピーク時の電力が足りないのですから、早く出勤して、早く帰宅しても、これに関しては何の効果もないのは自明ですね。(結局15時ごろには働いてるわけですから)

そういう意味では工場の休みを月・火にずらして、土日稼動する、といった方策は、確実にピーク時の電力需要削減に寄与することが分かるので賛成できます。

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というかもう結論でてんのか。節電への啓蒙的な意味になっちゃってる。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110529k0000m020150000c.html