バンクーバーオリンピック フィギュアスケート女子 フリースケーティング

まずは浅田真央選手、堂々の銀メダル、そして歴史に残るであろうトリプルアクセル2回成功、本当におめでとうございます。浅田選手自身は納得の演技ではなかったと思いますが、前人未到の領域に挑戦する姿、そして、見事オリンピックの舞台で成功させた、精神力、技術力の高さ本当に感動をもらいましたし、尊敬できるアスリートです!
4年後も目指すのかな?是非更なる高みへと挑戦して欲しいです!
また、安藤選手、鈴木選手も入賞で、日本人全員入賞は快挙だと思います。


さてここからは、色々と思うことを。

冷静に考えると、今回フリーで浅田選手が逆転するには、キムヨナ選手が転倒などのミスをおかすことが絶対条件だった。

前回のブログを書くために少々勉強し、よく分かった。
トリプルアクセルを跳べることが大したアドバンテージではないことを。
少なくとも現行の採点基準ではそうなっている。
これが多くの人のイメージと異なることが、得点に色々言われる1つの大きな原因だと思う。(他にも色々あるだろうが)
実際、フリースケーティングの基礎点を比べても、わずかに浅田選手が高いだけでした。
(実際には浅田選手にミスがあり、基礎点でも下回ってしまいましたが)
しかも、難しいジャンプを跳べば、どうしてもGOEが低めにならざるを得ない。
そうすれば、仮に浅田選手がミス無くこなしても、GOEでの大量加点が望めるキム選手が技術点だけでも上に来る。
そして演技構成点はもともと、キム選手のほうが高い。
(仮に、ここに審判の先入観があったとしても、簡単に払拭することはできないし、採点競技だから・・あきらめもある。ただ、演技構成点については点が出すぎていたとしても、キム選手のほうが上であるということ自体はあまり異論が無いように見える。)

今回、GOEの加点傾向などを見れば、ジャンプをはじめとする技術点で浅田選手がキム選手を上回る可能性はほとんどなかった。あるとすればキム選手がミスをした場合だけだっただろうと思う。

実際に今回のフリーでのGOEによる加点は、キム選手17.4点、浅田選手9.3点(加点だけを比べるために3連続ジャンプの減点を除いている)であり、基礎点+GOEの総合ではキム選手78.3点、浅田選手64.68点。

つまり技術的にもキム選手のほうが断然上、というのが今のジャッジ。
(これが正しい判定かどうかは私は専門家ではないから判断できないが、浅田選手がトリプルアクセルを2回跳んだことを踏まえた印象では、ここまでの差はないのでは、と思う。もちろん浅田選手にミスが無ければ5〜6点は縮まる可能性はあったが、それでも大差だ。)

だから両方が完璧に滑った場合は、順位に変動は無い。

かといってキム選手の転倒を望むのも寂しい話で・・
こうなれば、とにかく、順位はいいから、ショートプログラムの後のように、浅田選手自身が満足できる演技を、トリプルアクセルを2回クリーンに決めることを、願っていました。

結果的には3Aは2回成功という偉業をなし遂げたものの、他のジャンプで乱れ(3トーループは氷の溝かなんか?選手の責任では無いように見えたが)があり、浅田選手自信も納得は出来ない演技となってしまった。

金メダルをとれなかったことよりも、浅田選手自信が悔いが残っていそうなことが残念だったかな。



さて、今回約23ポイントという大量差をつけられ、敗れた浅田選手。今後どうして行けばいいんでしょうね。

思うに、演技構成点においてキム選手を超えるというのはかなり難しい気がします。
定着してしまったイメージはそう簡単に覆らないだろうし、キムヨナ選手のような演技をすることで伸びるとすれば、あまり浅田選手に目指して欲しい方向性ではない。

ここは一つ、やはりジャンプその他で、キム選手を超える得点を獲得できるようになり、演技構成点の差を跳ね除けて勝利!というのが私の理想かな。

じゃあどうすれば、となりますが、現行の採点システムでは技術点にしめるGOEの割合が非常に高い。
今回のキム選手の場合、技術点78.3点のうちGOEが17.4点だから、その割合は22%以上。
こうなってくると、基礎点の数点の差なんてものは、GOEであっという間にひっくり返る。(別の言い方をすればGOEで大量得点するものが勝つ)

そして基礎点で稼ぐよりも、GOEで稼ぐ方が、素人目には楽に見える。
語弊があるかもしれないが、
トリプルルッツトリプルアクセルの基礎点の差は2.2点。ルッツを飛べる人が2.2基礎点を上げるために3Aに挑戦するのと、ルッツの完成度を高めてGOEで2点とるのとどっちが近道か。
今アクセルを跳べる人が何人いるか考えれば、後者なのではないか。と思う。
もちろん素人考えなので、誤解があるかもしれないが。

それを前提にするなら、浅田選手が目指すべきものはもちろん4回転ジャンプなどではない。
仮に、トリプルアクセルを、4回転で一番基礎点が低い4回転トーループにレベルアップできたとして、基礎点の上積みはわずか1.6点(8.2→9.8)。

〜〜〜後日追記〜〜〜
ルッツを跳べる人が3Aを習得したら、ルッツを3Aに置き換えるわけは無いんで、例えばルッツをそのまま残し、2Aを3Aに置き換えた場合、基礎点は4.7点上がります(3.5→8.2)。ですから「基礎点2.2点のために3A挑戦は非効率」のくだりは語弊がありました。ただ、どっちにしても4.7点だったらGOEで稼いだ方が早そうです。はい。

浅田選手も4回転習得しても、3Aと置き換えることはしないでしょうから同じように、もう少し基礎点上がります。ただ非効率には違いありません。
〜〜〜追記ここまで〜

これはいかにも効率が悪い。であればキム選手に比べてまだまだもらえていない、既存のジャンプのGOEを高める方が効率が良い。そういう意味での伸びしろは浅田選手のほうがあるといえるのではないだろうか。

誰も飛べないようなジャンプをギリギリ成功させるよりも、難度はそれより低くても、余裕を持って飛ぶほうがGOE加点が狙え、お得だ。

(あっ、これプルシェンコ選手が危惧していた流れ??)

そしてプログラムを見て思ったが、浅田選手は3回転で一番難しい(基礎点が高い)ルッツを跳んでいない。もちろんその代わりにアクセルを跳んでいるということなんだろうが、浅田選手はルッツジャンプが苦手というのをどこかで聞いた気がする。ここも修正点になるだろうか。

しかし、実際はこれでもキム選手に+2がバンバンつく現状だと、今の技術点の差を埋めるのは相当きつい。


やっぱ採点基準、見直しません?トリプルアクセル跳べるって本当にすごいことじゃないの??(これが本音・・スミマセン)