見なきゃよかったかもしれない。

一昨日書いたときはそうでもなかったんだが。

フィギュア。

今回の世界選手権、個人的に無かった方が良かったなと。

いや、もちろん浅田真央選手が金メダル取ったことはうれしかったんだけど。

なんかね、採点に関して。

この世界選手権見るまでは、オリンピックの結果については、

「たしかにキムヨナ選手はすばらしかったし、得点に行き過ぎ感はあるけど、それは専門家がジャッジしたことだからしょうがない。採点システムに疑問はあるけど、今後変わっていくことに期待しよう」

となんとか納得することが出来ていた。


でも。

今回の世界選手権を見てしまって、一気にオリンピックが茶番に思えてきてしまった。

オリンピックは「キムヨナ選手にミスが無ければ、浅田選手は勝ち目が無い。難しい試合だ」だと思っていたけど、今回の結果を見てしまうと、「結構なミスがあっても勝つのはキムヨナだった」って思えてしまう。

陰謀論的なことは書かないようにしてきたけど、今回ばかりはなんか大きな力を感じる。今回の世界選手権でも、

大会開始前は、当然キムヨナ優勝が規定路線だった。少々のミスならどうとでもするつもりだったが、SPでとんでもないミスがあったため、フリーでは『最低表彰台』へターゲットが変わった・・・。

こんなことがあったのではないかと。

いつもならこんな話は、「馬鹿げてる」、と一蹴する私ですが、世界選手権見てしまって、こんな私でも「あるんじゃないか?」と思ってしまうようになってしまった。

フィギュアスケートへのイメージがすごく悪くなった・・。



でも、こんなことばかり書くのは不本意なので、採点システムの改善点を自分なりに考えてみた。

1.ジャンプの基礎点の見直し、特にコンビネーションジャンプ。
1回目に難しいジャンプを跳べば、必然的に2回目のジャンプは苦しくなる。なのに、普通に跳んだときと同じ基礎点ではバランスを欠く。基準を設定して、1回目のジャンプの難易度によって、2回目のジャンプの基礎点が大きく(例えばトリプルアクセルからなら、次のジャンプは基礎点1.8倍とか+2点とか。)なるような仕組みにしては。(3連続も同様に2回目のジャンプで3回目のジャンプの基礎点をかえる。)
これをやれば、今の浅田選手とキムヨナ選手が跳ぶコンビネーションの基礎点のいびつさ(3Aからのコンビの過小評価)が解消される


2.GOE加点(減点)幅の大幅縮小
基礎点が3〜6点程度の技に対して、GOEで+3まで認めるのはあまりにバランスが悪い。
基礎点で3点積み増す事の大変さ(3ルッツと3アクセルでも2.2点しか差がないのに!)を考えると、GOEで+2が連発されるような状況はバランスが悪いとしか言いようが無い。
同じジャンプでも、きれいなジャンプとそうでないものはあるだろうし、そこに加点(減点)出来るような仕組みはいいと思うが、せいぜい基礎点の1割程度に抑えるべきではないだろうか。6点のルッツなら5.4〜6.6の範囲で、というように。もちろんこの幅については専門家で判断してもらえばいいが、いくらすばらしいジャンプだからといって、基礎点の1.5倍もの点がつくような状況は好ましくない。
これは、特に現在のGOE加点が、「根拠不明瞭」である点も影響している。


3.GOE加点、減点時の根拠開示と審判顕名
GOEは加減点幅を、大幅縮小した上で残せばいいと思うが、加点減点は基準があってやっていることだから、そのどれを満たしたのかはっきり示せるはず。

加点基準
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/9074/index.htmlから引用

まずプラス面について、各6項目のうち1〜2項目満たしていれば+1、3〜4項目なら+2、5〜6項目なら+3と評価し、続いて、エラーがあれば、そこから減じていきます。

(1) [入り方の評価] 予期せぬ入り方、独創的な入り方、難しい入り方をしている
(2) [入り方の評価] 明確で評価に値するステップやスケーティング動作から直ちに跳んでいる
(3) [空中の評価] 空中で変形ポジションをとっている、または回転の開始を遅らせている
(4) [空中の評価] 高さや飛距離が素晴らしい
(5) [出方の評価] 着氷時に手足がよく伸びている、または独創的な出方をしている
(6) [全体の評価] 入りと出の流れ(加えてコンビネーション・シークエンスではジャンプ間の流れ)が優れている

審判員を顕名化し、それを示してもらえば妥当性の検証も出来るし、審判員の技量の向上にも資する。無用な不正の疑いも減るだろう。
なぜこれが出来ないのか理解に苦しむ。


4.中間点の導入
これは話が出ていたみたいだが、トリプルアクセルが回転不足になったときに、基礎点がダブルアクセルのものになってしまうと、一気に4.7点もの基礎点を失う(8.2点→3.5点)。これはあまりにリスキーで、選手のチャレンジ精神をそぎ、安全指向へ向かわせる要因になっていると思う。少なくとも3回転は跳んでいるのだから3回転ジャンプとして認定されなければ理不尽だろう。


5.得点に占める演技構成点の割合縮小
はっきりいって、素人にはなんのこっちゃ分からないから。フィギュアスケートがスポーツを標榜するなら、不透明な部分は極力少なくすべき。もちろん芸術性をも追求するという純粋なスポーツとは言い切れない部分があることも理解できる。だから演技構成点というような、モロ主観の採点部分があっても仕方ない。ただ、そういった部分をどの程度認めるかで、フィギュアスケートのスポーツ性が左右されてくる。私が目指して欲しい方向は、今よりもっとスポーツ寄りのフィギュアということになるでしょう。もちろんフィギュアスケート関係者の方が、もっと芸術性指向に進みたいということであれば、それは構わない。ただ、その場合オリンピック競技としてふさわしいか、という問題も出てくるだろう。それこそ「競技会」ではなく「演技発表会」であれば誰も文句は言わないだろうから。



結局、不透明な部分を極力減らして情報開示してくれ、バランスを欠いている部分を調整してくれ、という話だが、ほぼ全てが浅田真央選手優利に働く内容だから、ただ浅田選手を勝たせたいだけの日本人と思われても仕方が無いだろうな(笑)